爆笑問題カーボーイ2000年4月25日放送分 ゲスト:BOOMER

太田:BOOMERっていうのは常にさぁ、なんか、「一緒にやりたい」って言い続けてる、そう思わすコンビだよね
田中:そうだね やっぱ世代が一緒っていうのも…
太田:それとやっぱりね、ベタだからいいんだよね
田中:うん、うん
太田:ベタをやりたいじゃない、そう思わない?
河田:うんうんうん、これからもね そりゃ受け入れてもらえるもんならね やっぱベタだねえ それは変わらないと思うんだよ
太田:で、BOOMERのコントはね、やっぱ若手っていう意味じゃないんだよね
田中:い、意味じゃない…(笑)
太田:あの、そういう意味合いで新しくはないもん
田中:あ、ああなるほどね!
河田:ああ、わかるわかるわかる
田中:いわゆる「お笑いニューウェーブだぜ!」みたいな感じで、
太田:ニューウェーブなんてさ、BOOMER、嘘つけ!っていう
河田:(笑)それがキツかったらさっきの話だけど、ニューウェーブって括られてるときに全然AKIKO*1でも入れないでしょ?あれはキツかったねー
太田:だからむしろ、俺らの年齢、これからのさコントじゃん?
田中:はいはいはい
太田:どう?
河田:褒めちぎるねー
伊勢:すごいね、褒めるね、なんか
太田:うん、まあ褒めてるわけじゃないんだけど
河田:いやいやいや、褒めてるよなあ?いつも、ブーブーブーブー言う男がさあ(笑)
田中:ブーブーいう男が…(笑)
河田:(笑) 男がね、褒めちぎるわけよ
伊勢:やってる方とすれば、自分らがベタベタだとは思ってないんだけどな
河田:思ってないんだよ!
太田:新しいと思ってんの?
伊勢:新しくも…別に考えないで、
太田:いや、もちろん、だから一番面白いってことをやってるわけでしょ?
伊勢:そうそう、自分の中で面白いなって思ってることをやってるだけででも周りがなんかベタベタすぎるとかっていう風に言われて
太田:「ベタベタすぎる」って言われるの?
伊勢:うん、ベタだとは言われるね
太田:ベタが一番難しくないか?
伊勢:どうなんだろう、やってる方とすれば、だから逆にシュールな方考えろって言われたら出来ないもん、全然
太田:だからさ、シュールもあれもアレなんだけどさ、ベタっていうのは誰でもわかるって事じゃん?言ってみりゃあさ、誰にでもわかる、誰にでもウケるって事でしょ?それをやろうとしてんだよ、常にさ、みんな
伊勢:おおお
田中:ていうかさ、逃げ道はないよな、絶対ベタなネタでウケなかったときに逃げ道はないじゃん?シュールなんて、「わかるヤツがわかればいいんだ」ってのはあるけど、(ベタは)絶対逃げらんないって言うのはあるよな(笑)
太田:で、シュールってちょっとなんか考えてるようなさ、感じするけど、ベタにできないものがシュールになってるんじゃないかって気がするだよな、俺は。
一同:ああー
太田:だってシュールなことを言おうとしても、それをやっぱりさ、こっちはさ「これ伝わるかな?」っていうことでもっと伝わるためにはどうするかっていうことで、どんどんこう振ったり振りをこっちで振っとこうとかさ、なんか言葉をもうちょっとわかりやすい言葉に代えようとか、イントネーションをもうちょっと高くしてみようとかさ、そういう事によってなんとか伝えようとするわけじゃん?
伊勢:うん
太田:結局、伝わりづらいとこ突きすぎちゃって、伝わりづら過ぎるとこを突いてる場合はさ、諦めたりするじゃん?
一同:うん
太田:でね、あんまりベタベタ、例えば…なんだろう、ダジャレ、単なるダジャレ、ね?ダジャレでもあんまりベタベタだと引っかからないしーみたいなのあるじゃない、浮いちゃうそれだけ浮いちゃうような感じするじゃない?
一同:うん
太田:で、一番その、なんていう全部が「ぐわっ」と底辺から「ぐわっ」と持ってけるっていうのを常に目指してる訳でしょ?
一同:……
太田:なんで、そんな難しいかな
河田:(笑)
太田:俺たち芸人は、よ
河田:(笑) わかるわかる、言ってることはわかるよ そうそうそうそうそう
太田:だから、常にベタを目指してるんだと思うんだよね
河田:ただね、結局それとは逆にそれこそさあ、やっぱり今のもっと若い人のネタを見る訳じゃない、番組とかで
太田:上手いかもしれないけど、あのー、要するに知らないんだよ
河田:ベタを?
太田:ベタをっていうか、ベタにする方法を、だから…俺はそう思うんだよ
河田:そう思っていいのかな?俺らもそう思いたい部分もあるんだけどね、やっぱり昔の人も、例えば今じゃあ顔で笑わせるのって流行らないとか動きじゃだめだとかいうけど、それは芸じゃない?ある意味 動いて笑わせられる程凄いものはないと思うわけ
太田:うん、そうだよ
河田:で、今しないじゃない?かえってすると、それが、ちょっとやっぱ昔臭さっていうの?なって流行とは違うって言われる部分もあるじゃん?その辺で自分たちの葛藤もあるのよ
太田:うーん、それはだから葛藤する必要ないと思うんだよね、BOOMERは
河田:そうかなあ
伊勢:BOOMERは(笑)
太田:で、むしろそれが、「ベタなのが新しいんだぜ」って思わす方向の演出の仕方だよね、きっと
伊勢:うんうん
太田:ちょっと前に談志師匠と話す機会があって、談志師匠はよく言うじゃん「イリュージョン」って
一同:ああ、イリュージョンね
太田:イリュージョンって言うでしょ?それで今の若手の…あの人ほら、NHKの審査員…
一同:やってるねえ
太田:若手のいわゆるシュールなネタ好きなんだよ、談志師匠はね
河田:うん
太田:「あれはイリュージョンだ」と、「イリュージョンをあそこまで若手がやるようになったのは非常にいいことだ、太田お前どう思う?ああいう若手のネタは」って言った時に、俺別に若手をつまんないとは思わないけれども、俺も曲がりなりにもさ、10年以上やってきた経験もあるわけじゃない
一同:おおお(笑)
太田:で、談志師匠は、おそらく談志師匠の時代にはああいう感じのネタをする若手はいなかったんだろうな
伊勢:うんうんうん
太田:だから談志師匠にとっては凄く新しいと思うんだけど、俺らの周りにはいーっぱいいたじゃん?シュールって
田中:10年前にはね
伊勢:ああー、シュールはね
太田:というのは何から来てるかって言うと4コママンガとかから来てると思うんだよ、ああいう流れってね 珍しくもなんともないんだよ俺にとってはねあんな…あんなって言っちゃアレだけど、今若手の何組かがやってるネタっていうのはさ、そうするとそれよりも談志師匠のやってる事の方がもの凄い高いところを表現するんだけどもの凄いわかりやすいっていう、そこはやっぱり「技術」じゃん?「技術」すっ飛ばして「感覚」だけを出してるようにしか見えないわけだよ、若手の方はだよ、シュールって言われてる方は。そうするとそれはサボってるだけじゃないかなって言ったんだよ、俺は談志師匠に。「そうかあ…」つって考え込んじゃったけど
一同:(笑)
太田:俺は、だからむしろ師匠のやってることをやりたいんだって
伊勢:はいはいはい
太田:談志師匠の落語難しいって人もいるかもしれないけど、わかりやすいよ!やっぱりね
伊勢:うん
太田:なんでわかりやすいかって言うと演技が上手いからとかさ、言葉の選び方が上手いとか、そういう事でしょ?それは本来ならそれをそのまま古典で言ってるテーマとかをそのまま表現したらちょっとわかんねえなって事なのかも知れない、下手なヤツが表現したら
伊勢:うんうん
太田:でも談志師匠が表現するとわかるっていうのは、何て言うの、言葉はベタっていうのじゃないかも知れないけど、ベタにしてる作業をしてるのが技術!というね
伊勢:おおー
太田:どうなの?
河田:それをホントにね、ピーちゃん*2が言ってくれるのは嬉しいし、それをもっと例えば業界って言うかさ、芸能界が…
太田:だからやっぱわからせなきゃダメだ
河田:それはアンタだろう
田中:アンタだろう(笑)
太田:だから、俺どこ行ったって
爆笑:「BOOMERを使って下さい
太田:って(笑)
河田:俺らを使ってくれるならもういい、いくらでも使ってくれ!(笑)
太田:やろう、コントをな!
河田:おお、やろうやろう
太田:コント「番組」をさ
伊勢:やりたいもんだね
田中:あっはっはっは(笑) 伊勢が一番やりたいはずなんだよね、ホントはね
河田:いろんな所行ってさあ、企画の打ち合わせしたり例えばラジオでもTVでもどういうコーナーをやろうかって話をしたときに全くさあ、極端に言えば女の子を使ってオーディション番組をやるっていう時に「いや、ネタのコーナーを」っていう男だよ?
一同:(笑)
田中:セット組んでコントをやるっていうね
太田:だから今、ウッチャンがさあ笑う犬であれだけさあ数字とって、俺らはホントはあれをやるべきだったんだよ だけどウッチャンがやって、もっとやりやすい状態にはなってるから
河田:ねえ、あれだけねえ!
田中:そうだから「コント番組っていうのはダメ!」って言われたからね「そんなのはいけないよ」って、昔はね
河田:ウッチャンがずーっと言い続けて…
太田:言い続けてたんだと思うよ 俺も何年か前に「何やりたい?」って言われたときに「絶対コントだ」って言ったら「コント、今TVでやったらダメだ」っていろんな局でな、言われて絶対ダメだって言われてた それであそこまでさ、ウッチャンがやっぱりやったっつうのは凄いアレで、それであの数字を取ったから今度コントやろうって人が出てくるからさ、そしたらBOOMERの出番だよ
河田:(笑) その前にアンタたちどんどん推してよ、もっと推してよ(笑)
太田:俺らぁ、結構今忙しいから
一同:(爆笑)
河田:なんだよ、忙しいからって!(笑)でもそういうのはホントねえ、やりたいし大事だなってずっと思ってるからね
伊勢:やりたいね
太田:今日は、語り明かそう

*1:BOOMERの前身?お二人+アツシさんというトリオだったらしい

*2:太田光の愛称。奥様のみっちゃんとごく親しい芸人仲間が使う 例:ネプチューン名倉さんなど