愛がなんだ

愛がなんだ (角川文庫)

愛がなんだ (角川文庫)

主人公のテルちゃんがおれさま男、マモちゃんに振り回されてる訳なのですが「ばかじゃないの」と突き放したいような「それは行きすぎだけどちょっとわかる*1」と頷きたいような。自分が置かれている状況によってどうとでも両意見の比率が変わるから繰り返し読むと面白いかも。

テルちゃんがマモちゃんに言われた"逆自意識過剰"な性質、わかるなあ。先回りして心配して周りを不安で固めちゃうと最悪の事態への心構えが出来るから、ついしてしまいがち。でもその心配(卑屈な気遣い)を察知されると余計に相手をイラつかせる悪循環。ああ、リアルに嫌だ。テルちゃんはマモちゃんにのめりこむことは出来ても自分に対する客観性がたまに顔を覗かせるので何となくバランスがおかしくなっている印象。自分を客観視できるほどの冷静さなんて煩わしいもの、恋してるときくらい欠いてしまえればいいのに。


今、片思いをしていればもっときゅうっとしたかも知れない。でも私は度々出てくる料理名にぐうってなるばかり。どうなのこれは。後これは完全に余談ですけどセーラームーン世代としてはマモちゃんと言う名前にいちいち引っかかるので困ります。

*1:だからってマモちゃんのような人を好きでい続けるという根本的な所は理解できるわけじゃない