表現してるかい?

この秋はルソー展に行って、高校の友達の学内演奏会(ヴィオラ)にも足を運んだ。最後はダリ回顧展で締めたい。

彼女の演奏を聴いたのは高校以来なので実に4,5年ぶり。私は楽譜も読めないような音楽にはとんと疎い人間なので技術的なことなんて微塵もわからないしやんややんや言うのはおこがましいし的外れなので言わない。
ただ、禁欲的な感じがした。彼女のバックグラウンドも少しは知っている分、余計にそう感じて"表現をしているひと"ってすげえ、って単純に尊敬した。
だけど表現というものは他者にははかり知れない線引きがあって、そこに踏み込んでいく時のおそろしさったらない。私がいくら凄いと思っても彼女が違うと思ったらそれは違うわけで、そうすると私が抱いた感想はどこへ昇華するんだろう。どこに昇華すればいいんだろう。演奏後、彼女から電話があった。そのあと用事を控えていて焦っていて「良かったよ」なんて軽はずみなことを言ってしまったことに非常に後悔した。軽い気持ちで踏み込むんじゃなかった。ばか。